校長室より
季節はめぐり、春の気配が、さまざまなところに感じられる本日この日、磐田市立磐田第一中学校の令和6年度が終わります。創立78年の本年度、本校にとって、本当に実りの多い年度であったと思います。
先ほどは1年生:箱岩明花さん、2年生:鷹野比呂さんに学年の代表として、修了証書を授与しました。
また、立派に1年間の反省を述べた1年生:永井凛空さん、2年生:伊藤結人さんが、それぞれ、本年度の振り返りと次年度への決意を、しっかり語ってくれました。
皆さん一人一人にとって、この1年間、振り返ってみてどうだったでしょうか?
学習面ではどうだったでしょうか。「英語が少しできるようになった。美術が好きになった。理科の実験がおもしろかった。」とか、「家での勉強時間が増えた。」などのプラス面、逆に「この教科がわからなくなった。」とか「宿題がたまった。」「この教科が苦手になった。」などのマイナス面などもあるかもしれません。
生活面や部活動なども同じで、例えば、生活面では「気持ちの良いあいさつ」「登校時間」「きまり」などが守れましたか。
部活動では、練習に全力を尽くしましたか。顧問の先生やコーチの指示やアドバイスを受けて上達しましたか。準備や片付けがしっかりできたでしょうか。「気持ちの良いあいさつ」ができましたか。
そして、最も皆さんが長く過ごす、学校生活の基盤となる学級の中では、係の仕事や清掃をしっかりやれましたか。「心の泉」をしっかり出しましたか。友達と仲良くしましたか。担任の先生の話をしっかり聞けたでしょうか。等々、いろいろ振り返り、見つめ直してみるとよいですね。
そして、あれもこれも、全部直してよくしよう、ということはなかなか難しいことなので、「これだけは」、来年度、いや今から改善していこうということを、ポイントを絞り、具体的に決めてください。例えば、
○ 宿題は必ずその日のうちにやる。
○ あいさつは必ず自分から進んでする。 などです。
最初は簡単にできそうなところから、さっそく今から取り組んでみてください。
今日は最後ですので、もう一歩踏み込んだお話しをして締めくくりたいと思います。
それは、振り返りをすることで、「一日一日というものが、本当にかけがえのない大切なものである」ということを皆さんに感じてほしいということです。
皆さん、ちょっと首を動かして、友達の顔や教室を見回してみてください。学校生活で、自分がいつもいたこの場所に、周りの友達といっしょに同じようにいることは、もう二度とありません。
修了式の今日が終わると、朝、仲良しの友達ととりとめのない話をしていると、見慣れた担任の先生が、いつもの口調でお話しを始める。…そんな今年1年間続いてきた日常は、明日以降、もう決してありません。
自分の教室の階や廊下やトイレ、階段を上り下りして特別教室や昇降口に行く、給食を同じメンバーで食べる…、そんな取るに足らないことも、明日から、4月からやろうとしても決して、絶対に、二度とできないのです。
そんな当たり前であった今年の磐田第一中学校の生活…、校舎、友達、先生、学年での思い出、体育大会、合唱コンクール、授業の様子、学級のみんなと歌った合唱曲など、今あらためて「もう二度とできない」という思いで振り返ってみると、その一つ一つは、何と貴重でかけがえのないものであったのかが分かるのではないでしょうか?
いつもはあまり話をしないあの子であっても同じ教室にいる風景、その存在感、先生も含め、みんながいて、自分がいて、自然にできていたあの雰囲気…同じ景色や雰囲気は、もう二度と帰ってきません。
そう思いをめぐらせば、最初に言った「一日一日の何と貴重で、大切だったことか」が、実感できるのではないでしょうか?
皆さんのように若い時代は、一日一日、そんなことはもちろん何も考えずに、ただただ、毎日を過ごしていると思います。
しかし、まさに今言ったように、進級して、進学して、あんなに仲のよかった友達とクラスが違うことで、あまり話さなくなって、はじめて、寂しさとともに、ちょっとした喪失感と感傷を味わうのです。
皆さん、ぜひ一日一日を大切にしてください。何でもないことに思え、気にもとめていない友達や先生との会話や一言、部活動でいっしょに汗を流したあの感覚、合唱の歌声、授業で手を挙げて発表したときのちょっとうれしい気持ち、友達と笑い合った、あの一瞬、一瞬を大切にしてください。
一日一日を大切にし、充実させていくこと。…その積み重ねが、あなたたちの人生、未来を切り開いていくことにつながるのだと、わたしは、強く思います。
本年度は、学校行事、生徒会活動、部活動等で大きな実績を残した一年でした。また、新たなすばらしい来年度、「皆さんが主役の磐田第一中学校」を、ともにつくっていきましょう。
来年度への大きな期待を込めて…以上式辞と致します。
令和7年3月19日 磐田市立磐田第一中学校長 小沼 裕樹